こんにちは!とおるです。
最近、マインドフルネス瞑想が流行ってますよね。
マインドフルネスと瞑想の違いって難しいくないですか?
瞑想とマインドフルネスの違いとは?
結論から言うと、マインドフルネスと瞑想に違いがあるというより、“瞑想の中の一つにマインドフルネスがある”ということです。
まずマインドフルネスと瞑想の定義から、それぞれ確認していきます。
マインドフルネスとは
マインドフルネスは”今この瞬間に注意を集中する“(今この瞬間に意識を向ける)ことです。
具体的な意味を、マインドフルネスの提唱者であるジョン・カバット・ジン氏の言葉から見ていきましょう。
特別な形、つまり意図的に、今この瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと
出典:『Wherever You Go, There You Are』
※ちなみにジョン氏はマサチューセッツ大学医学大学院の教授であり、禅(主に曹洞宗の道元の教え)を学んだ方です。
マインドフルネスを欧米に紹介した、ベトナムの著名な禅師ティク・ナット・ハン氏のマインドフルネスの定義は以下の通りです。
自分の意識を今の現実に敏感に保つこと
出典:『The Miracle of Mindfulness』
例えば、生活の中で”髪を洗う”という行為で、注意を集中して水の温度などを実感できていればマインドフルネスの状態だということです。
“注意を集中すること”は瞑想の概念の中に含まれています。
この根拠を、ジョン氏の言葉から引用します。
“注意を集中すること”も瞑想の一つであるということを知らなかったからです。私は、この”注意を集中する”ということを”マインドフルネス”と呼んでいます。
出典:『マインドフルネスストレス低減法』P34
※『マインドフルネスストレス低減法』は、科学的に瞑想が様々なメリットがあることが論理的に書かれています。
マインドフルネス瞑想に関する詳しい知識や実践法をしたい方におすすめの本です。
瞑想とは
瞑想の定義を簡単に言うと、“意識的に心と体の動きなどを観察して、今この瞬間をあるがままに受け入れるプロセス”です。
このプロセスの中に”マインドフルネス”があるということですね。
科学的な側面における瞑想の定義を今回はお伝えしていきます。
神経画像研究者のジュリー・ブレフツィンスキー=ルイス氏の瞑想の科学的な定義は以下です。
実践者を特別な種類の心のプロセスに馴染ませるようにデザインされた、一群の心のトレーニング活動
出典:『Neural Correlates of Attention Expertise』
次に、ジョン・カバット・ジン氏の瞑想の定義を見ていきましょう。
瞑想とは、意識的に心や体を観察して、今という瞬間から次の瞬間に向けて体験したことを、あるがままのものとして受け入れるプロセスなのです。
出典:『マインドフルネスストレス低減法』P37
マインドフルネス瞑想とは
マインドフルネスと瞑想の定義がわかったところで、マインドフルネス瞑想とは何かを解説します。
マインドフルネス瞑想は簡単に言うと、“今この瞬間、心や体に注意を集中(マインドフルネス)して行う瞑想”のこと言います。
ジョン氏も、マインドフルネス瞑想をシンプルに”注意集中型瞑想法“と呼んでいます。
ここまでで、マインドフルネスについてはもう理解できたのではないでしょうか。
でも、
「瞑想に関しては、もっといろいろな種類があるんじゃないの?」
と感じる方もいる思います。次に、解説していきます。
瞑想の2つの種類
瞑想は大きく分けて、2つの種類があります。
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想です。
今様々な場所で行われている”瞑想”の流儀がありますが、多くは、この2つの瞑想を組み合わせて行っています。
はじめにサマタ瞑想から入り、次にヴィパッサナー瞑想を行うことが多いようです。
以下に2つの瞑想について解説していきます。
サマタ瞑想
サマタ瞑想とは、一つの対象に意識を集中する瞑想です。
サマタとは”止”の意味です。
例:呼吸・壁の一点・ロウソクの火・お経・マントラ・音
上記のような対象となる一つのものに意識を集中させるのがサマタ瞑想です。
ヴィパッサナー瞑想
ヴィパッサナー瞑想とは、ものごとをあるがままに観察する瞑想です。
ヴィパッサナーとは、”観察する”の意味です。
仏陀(釈迦)が悟りを開いたとされる瞑想です。
Wikipediaに分かりやすく解説されていますので引用します。
「今という瞬間に完全に注意を集中する」ということである。何をしていても「今・ここの自分」に気づいていく。この「気づき」(巴: sati, サティ、梵: smṛti, スムリティ、英: mindfulness、漢語「念」)が、この瞑想のもっとも大切な技術である(したがって、「気づきの瞑想」とも呼ばれることがある)。このようにして自分を客観的によく観ていく実践によって、心を成長させることを目指すのである。
出典:Wikipedia
マインドフルネス瞑想の源流はヴィパッサナー瞑想
ここまできて、「マインドフルネスは、”注意を集中する”ことだから、マインドフルネス瞑想はサマタ瞑想では?」と思う方もいるかも知れません。
しかし、上のWikipediaの説明に、”今という瞬間に完全に注意を集中する“とある通り、マインドフルネス瞑想は、ヴィパッサナー瞑想を元にしたものだと考えられます。
そもそもヴィパッサナー瞑想のもっとも大切な技術である「気づき」は、サティ=念=mindfulnessの訳されています。
このことから、マインドフルネス瞑想は、「止」より「観」の意味があるヴィパッサナー瞑想であることが分かります。
まとめ
この記事では、マインドフルネスと瞑想の違いって何?という疑問にお答えしました。
マインドフルネスと瞑想に違いがあるという表現は正しくなくて、瞑想の中の一つにマインドフルネスがあるということでした。
また、瞑想の2つの種類であるサマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想もお伝えしました。
瞑想の定義に関してはかなりセンシティブなものなので、絶対にこうである!と言うことができません。
今回は、マインドフルネスに関する話だったので、科学的な瞑想の定義を使いました。
この記事で参考にした本は以下です。
仏教の祖であるブッダに即した瞑想の解説もまたしようと思います。